七月七日

新宿の本屋で行なわれていたフェア「忘れてはいけない戦争の本」(だったと思う)、で本作に目を付けておいて、地元の図書館にて読んでみました。
両親が出稼でアメリカへ移民した、日系二世の息子「ショーティ」は苦悩していた。
時代は第二次世界大戦真珠湾攻撃を受けたアメリカは日本との戦争を加速度的に進めるべくマリアナ諸島の島々へと侵略を始めた。
元々アメリカは移民の国、純粋な血統(ネイティブアメリカンのみ?)があるのか無いのかわからないが、開戦前からショーティは肌の色で屈辱的な差別を受けていた。
戦争が始まるとそれは勢いを増し、黄色人種をセカンドヒューマンと考えるアメリカでは、国に忠誠を誓えない日系人を収容所へ強制的に押し込めていた。
その第二次世界大戦アメリカ人なら単純に怒りに任せて日本軍と激突すれば良い(管理人は戦争反対)、しかし両親に日本教育を受けたショーティは英語と日本語を操るバイリンガルで、忠誠を誓いこの戦争に語学兵として参加していく
そんなショーティが初めて戦争で人を殺すシーンから物語りは始まる。
時に敵から良い考え方を、時に味方から悪い考え方を学び、凄い勢いでそれを消化していくショーティ。
自国では危険民族のレッテルを貼られ、敵国からは裏切り者呼ばわりでサイパンでの戦闘に参加した後も葛藤し続ける「正義とは?」
岩場からひょっこり頭を出せば日本兵に間違えられアメリカ軍から誤射され、一歩間違えば英語を話せる日本兵として捕虜にされる、日本兵からはアメリカの軍服を着込んでいる為、顔など確認せずに突撃される。
矛盾だらけの戦闘の中で、いつしか自分を客観的に見ているショーティ。
そんなショーティは、いったいどこに自分の退路を見出すのだろうか、、、、

無意味な殺戮、無意味な自決。
無意味な自分の考え、一体「善」とは、、、
今も世界のどこかで行なわれている戦争もこの本を読んだ後では見方が変わるのでは無いかと思う。
文学作品であり歴史・宗教作品で、もちろん息も付かせぬアクション作品でもある。いつも見たり読んだりする戦争作品と違い、片側からの視点ではなく両側からの視点で戦争を理解することが出来るだろう。おすすめです

七月七日

七月七日

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